わたしの好きなキングダムの女たち【第一回】太后

わたしの好きなキングダムの女たち

ここ何年か、ずっと読み続けているマンガがキングダム。

ビジネスマンにも人気ということで話題になることが多いのですが、きっと女子にもファンが多いはず。

主人公の信をはじめ、魅力的なキャラが勢ぞろい。脇を固めるキャラであっても、なかなか深いところまで作りこまれていて、感心してしまいます。

男性キャラについては、いろいろなところで語りつくされている感があるし、私自身男性じゃないのでわからない心理もあります。

ということで、キングダムに登場する女性キャラについて、言いたいことを書いてみたい! と思いました。

題して、「私の好きなキングダムの女たち」

学生のときに好きだった瀬戸内寂聴の「私の好きな古典の女たち」をパクってます(笑)

シリーズ(にするつもり)第一回目は、太后さまです。

太后さま、正直好きじゃないです。でも、同じ女性として、いろいろと思うところもあり、初回に登場してもらいました。

あんなに可愛かったのに

太后は、秦王政の母。前王荘襄王(そうじょうおう)の后です。
太后というと、すぐに浮かぶのが18巻!

この巻の主役は太后さまと言ってもいいでしょう。

このすごみのある顔も、昔は、だれもが魅了される愛らしいお顔で、趙の都である邯鄲の宝石と呼ばれるほどでした。

今の日本でいえば、「東京の宝石」ってとこですよ。

清純と気品に満ちた美貌を持つ絶世の美女は”美姫”という愛称で皆に愛された

と表現されてます。

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女性だったらだれもが、こんな容姿に生まれたかったと思わずにいられないですよね。

その太后の17年後。

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もう一回見ちゃう?
これですよ、これ。

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17年前はこの可憐さ。

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いったい何があったの?

呂不韋の裏切り

太后は過去、呂不韋とは結婚を約束した許婚でした。
幸せの絶頂にいた太后様は、ある日、失意のどん底に落とされます。
それも、愛する呂不韋によって。

呂不韋は、自らの出世のため、秦の公子 子楚に太后様を差し出すのです。

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それだけでも辛いことなのに、その後、子楚だけ秦に戻り、太后様と幼い政は、趙に置き去りにされ惨めな暮らしを耐えねばならなくなります。(8巻参照)

その後、17年の時が過ぎ、秦の太后として後宮の頂点に立ちます。

政の母だからこそ就ける地位なのですが、趙での苦しい毎日を思い出すのが辛いのか、太后はわが子である政に対して、全く母性がわかないのです。

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太后の苦悩

呂不韋に捨てられたショックに、好きでもない男に嫁ぐ苦悩、そして敵国に置き去りにされたという裏切りの連続。太后は、ガチガチの壁を作って心を閉ざし、何も感じなくすることでしか、生きる道がなかったのでしょう。
自分のことを捨てた呂不韋のことが、どうしても忘れられなかったことが、太后の不幸の原点なのかも。

また、邯鄲の宝石とまで言われ、ちやほやされることに慣れていたでしょうから、呂不韋の仕打ちは、プライドをズタズタにされたはず。だからこそ、捨てた呂不韋に執着してしまったのだろうなと思うのです。可愛さ余って憎さ百倍、というように。もし、太后が、ごく普通の女子だったら、もちろん捨てられた直後はずど~んと落ち込んで、なかなか立ち直れないでしょうが、それでも時間の経過とともに立ち直り、また幸せをつかめると思うんですよね。邯鄲の宝石というプライドが、そうさせてくれなかったんじゃないかな。ずっとずっと不幸を選んでしまったのは、捨てられただけでなく、のちに趙に置き去りにされたという悲運が重なったのも大きいとは思うけれど。

太后様と呂不韋では、やはり呂不韋の方が数段上。惚れた弱みというやつでしょう。

38巻のこのシーン。

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このシーンを読むと、太后の昇華できない呂不韋への思い、愛とか恨みとか、もうごちゃまぜチャンプルー状態になっている感情MAXな心の中が痛いくらい伝わってきます。

男性が読む場合、同じ男性ということで呂不韋目線で見るのではないでしょうか。太后をうざい女、重い女だと思うのだろうなあ。

女性目線で読むと、やっぱり、太后に同情してしまいます。好きか嫌いかと問われたら、決して好きではないけれど、女性の性みたいなものを感じさせる太后に、私は興味が沸きます。

タイプは違うけれど、なんとなく、源氏物語の六条御息所を思い出しました。六条御息所も、光源氏に去られたことを屈辱に思い、捨てられたことを周囲に知られるのをひどく恐れました。それもまたプライドの高さゆえだなあと、私は思うのです。

そこまでプライドが高くなかったら……太后も六条御息所も、不幸にはならなかっただろうに……と考えてしまいます。

太后のその後

太后の相手が面倒になってきた呂不韋は、太后に、嫪毐(ろうあい)という男性をあてがいます。嫪毐はとにかく絶倫だったようで、太后はすっかりメロメロになったみたいです。

太后は、きっと、依存症だったんじゃないかな。心の傷を埋めるために。

そして、嫪毐とのあいだに二人の子をもうけ、毐国という国を建てるのですが。。。

そううまく話は進みません。

悲しい結末を迎えるのでした。。。

太后が登場するのはこの巻

太后が登場するのは18巻のほか、以下の巻です。

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