わたしの好きなキングダムの女たち 第二回 摎(きょう)

私の好きなキングダムの女たち (2)

大人気のマンガ、キングダム。
春秋戦国時代が舞台、男性好みの重厚な物語ですが、ストーリーに花を添える女性キャラも登場しています。

キングダムの女性キャラを、女性目線で語る
「わたしの好きなキングダムの女たち」

第二回は、摎(きょう)を選びました。

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ちなみに第一回は、太后。

摎というのは、秦の六大将軍のひとり。

女性ながら六大将軍という地位に上りつめた女性です。

キングダムをよく知らなくても、六大将軍という言葉が持つイメージだけで、

強いの? 強いよね?

となりますよね。

そうなんです。とっても強いんです。

でも、そんな強さの理由には、とても女子っぽい原点が……。
では、摎について、いってみます!

摎のおいたち 戦神 昭王の娘?

戦神といわれるほど戦好きで、とても強かった昭王。
六大将軍は、その昭王の時代に、国王の承認なしで自由に他国と戦うことが許されていた将軍のこと。
摎もそのひとりですが、摎は、実は昭王の娘でした。
昭王は、政のおじいちゃんにあたるので、摎は政の大叔母さんというわけですね。

昭王の寵愛を受けていたものの、後宮の中での身分が低かった摎の母。
御子を生めば太后になるチャンスがある後宮では、すさまじい権力争いが繰り広げられるのが常。

後ろ盾がいない摎の母は、生まれた摎が自分とともに殺されることを案じ、こっそりと摎を王騎将軍に託すのです。摎は王騎将軍の屋敷で成長したのでした。

摎がこっそりと王騎将軍の屋敷に連れていかれたあと、摎の母は部屋に火を放ち、母子共々焼死したように見せて亡くなります。というわけで、昭王はじめ、摎という娘の存在はごく一部の人しかしりません。王騎将軍の召使の娘という身分で育ちます。

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戦いの天才

戦神昭王の血を受け継いだからか、王騎将軍の元で育ったからか、摎は戦の天才でした。
武も、策も、どちらもずば抜けて優れていて、早々に将軍の地位に上り詰めました。
軍を率いるようになってからさらにその才能に磨きがかかり、ついに六大将軍に。

次々と城を取る摎。その強さには、意外な秘密があったのです。

お城を百個とったら……

舞台は、王騎将軍の屋敷にいた子どものころにさかのぼります。

お城を百個とったら摎を王騎様の妻にしてください

摎が王騎にこんなことを言うのです。
すると王騎は、「いいですよ」と。

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だから、その100個を目指し自分は強くなったのだと昌文君に話すシーンがあります。

「妻にしてください」への王騎の「いいですよ」の返事に、よし!となる摎がかわいくて、私はこの部分が大好き。

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そして百個めの馬陽で

その後、いよいよ百個目の城にあたる馬陽を攻めるときが来ます。
摎と王騎将軍の連合軍で戦うことになったと摎に伝えに来た王騎将軍は、摎の元を去るときにこう言うのです。

「いよいよ最後のひとつですね」

女性目線で言ったら、ここはかなりヤバいシーンなんです。涙、涙です。

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で、ページをめくると、摎が、

「憶えていてくださったんだ……しかも数まで……」

と。

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察しの悪い昌文君に、

「次の馬陽で百個目なんだ」
と、涙をはらはらと流しながら言うのです。

「いいですよ」と答えた王騎将軍の返事。
摎は、その言葉を信じたいけれど、信じられない部分もあったんじゃないかな。

子供の会話に付き合ってくれただけかも? とか……。

もともと才能があったのは確かだと思うけれど、王騎将軍の「いいですよ」の言葉を頼りに頑張ってたどり着いた百個目の城。
成長する過程で、王騎将軍の気持ちに確認が取れたわけでもなく、何よりもこの約束自体憶えていないかもしれない。
そんな不安が消えない中、それでも果敢に頑張ってきて、

「いよいよ最後のひとつですね」

なんて言われたら、泣き虫じゃなくても泣きますよ。

摎は、この約束を、
「本当にたわいもない子供の約束なんだ」

と言いながらも、子供の頃も今も、大真面目だと、昌文君に告白しています。

とってもわかるなあ。

支えになる言葉って、ありますよね。それが、好きな人の言葉だったらなおさら。
残酷にも、その馬陽にて、やっと願いが叶う日を前に、夢は絶たれてしまうのですが。。。

禍々しいやつのせいで。。。

おまけ 摎も笑っています

王騎将軍の最期のシーンは、現在50巻以上になるキングダムの中でも超有名。
そこでの王騎将軍のセリフ(心の中での)が、
「摎も笑っています」
なんですよね。
摎が迎えにきてくれたんでしょうね。

ここも涙なしでは読めないシーン。

私も、大切な人より先に死んだら、迎えに行きたい。イヤだと言われても、こっそり行く。

摎が登場するのは、15巻と16巻の2巻のみですが、とっても印象に残っている「わたしの好きなキングダムの女たち」のひとりです。

16巻は、いうまでもなく、キングダムファンだったら忘れることができない巻ですね。