わたしの好きなキングダムの女たち。第3回です。
キングダムの女性キャラといえば、羌かい(きょうかい)に河了貂、楊端和の3人が有名。
来春公開の映画キングダムも、楊端和が長澤まさみ、河了貂が橋本環奈ということで、先日話題になりましたもんね。
でも、魅力的な女性キャラは他にもいるんです。
わたしの好きなキングダムの女たちでは、第一回は太后、第二回は摎と、ちょっと変わったところから入りました。
今回の主役は、瑠衣ちゃんです。
キングダムを読んでいる人の中でさえ、「え、それ誰?」と思い出せないくらいのキャラかもしれません。
でも、個人的に好きなので、瑠衣ちゃんで。
政の弟にいやな奴がいたの、覚えていますか?
漂が命を落とすことになったのも、その弟、成蟜の謀反が原因でした。
瑠衣ちゃんは、成蟜の妻です。
あんなイヤなヤツの妻だったら、きっと嫌な女なんじゃないの?
と思いがちですが、そんなこと全然なくて、とても素敵な女性なんです。
「北東のお姫様」瑠衣
政が邯鄲に来たときには、もう成蟜の妻だった瑠衣ちゃん。
瑠衣は、屯留という地の統主の娘、「北東の姫」ということで、血筋がよいのです。
政と成蟜は異母兄弟。政の母(太后)と比較すると、王族の血を引く母を持つ成蟜は、自分こそが王としてふさわしいと考え、政の登場を快く思いませんでした。そんな成蟜は、血筋がよいというだけでも、かなり瑠衣を気に入っていたのではと想像がつきます。
瑠衣の方といえば、成蟜と初対面のときのセリフが
「あまりいい顔ではありませんね」
ですよ(笑)
お姫様ならではなのかしら?
でも、嫌な感じにならないのは、血筋がよいからかな?
顔は好みじゃなかったのでしょうが(笑)それでも、当時から、ひねくれ者の成蟜を支え続けてきたようです。
政が言うには、
「成蟜さまの敵」
と、よく石を投げられた……と(笑)
なんで変わらず成蟜を支えるのか
謀反を起こしたころの成蟜は、ほんとうに嫌なやつなんです。
初めて瑠衣が登場する34巻では、成蟜もずいぶん成長し、あの鼻持ちならないキャラではなくなっています。1巻からずっとストーリーを追っている身としては、かなり見直したし、成蟜の成長ぶりに賛辞を送りたいくらいの心境になります。
そんな成長した成蟜が初対面ならまだしも、瑠衣が成蟜に嫁いできたころは、嫌な奴としての最盛期だと思うんですよね。
それなのに、「あまりいい顔ではありませんね」と思ったくらいなのに、なんでずっと支えてるのかなあ……と疑問に思ったんです。
その疑問は、あとの巻で晴れるのですが、その前にこっちの話題から。
隠れた名シーン、成蟜の最期
いいヤツになってからの成蟜。
政を引きずりおろして自分が玉座に、なんて気持ちすら消え、政を支えることを考えるようになります。
謀反を起こそうとしたころは、まるで裸の王様のように人望もなかったのに、いまでは「忠」がある陣営になっているほど。
その成蟜、呂不韋の罠にはまり、屯留の地で命を落とします。
成蟜の最期の場面が、心に迫る隠れた名シーンだと思います。
男性は、成蟜に感情移入するのかしら?
私は、やっぱり瑠衣ちゃん側に立ってみてしまう。精一杯気丈にふるまっているようで、胸を打たれてしまいます。
瑠衣は人の本質 光が見えるひと
その後、成蟜が亡くなったあと。
政が成人を迎える加冠の儀という式でのこと。
成蟜亡き後、成蟜の遺言どおり、陣営を立派にまとめあげている瑠衣も参列します。
(成蟜は息を引き取る際に、自分の陣営をまとめあげろ、女でもお前ならできる、という内容の話をします)
このとき、
「人間の本質は光だ」
というキングダムの中でも心に残る名言を政が口にするのですが、政によりそう紫夏(そのうちこのシリーズに登場の予定)の光を、瑠衣は目にすることができるんです。
ついでに、成蟜の声も聴こえる。
あんなにイヤな奴だった成蟜。
でも、本質はやっぱり光。瑠衣には、成蟜の中にも、その光が見えていたんだろうなあ。真っ暗な闇の中に、一点の光が見えるように。私はそう思いたいな。その小さな光が闇を照らしていく様を見たかったのかも。
瑠衣は、光を見ることができる人なんじゃないかな。
とっても母性愛あふれる人のような気がします。この場面なんて、お母さんみたい(笑)
瑠衣は賢くチャーミング
かわいく嫌味が言えるところも、機転がきいて、頭の良さを感じる瑠衣ちゃん。
ちょっとしたセリフが、チャーミングだなと思います。
登場回数は少なくても、印象深いキャラですよ。
瑠衣?
誰だっけ?
という方は、ぜひ、さかのぼって読んでみてほしいです。
瑠衣ちゃんが登場するのは、34巻35巻38巻39巻。