若い世代に地方移住が人気のようです。
宝島社から『田舎暮らしの本』という雑誌まで出ています。
その『田舎暮らしの本』で話題を集めるのが、住みたい田舎ベストランキング。
このランキングで、2年連続全国第1位の栄冠を手にした街があります。
さて、いったいどこでしょうか?
map上で赤くなっているところがありますよね。
それが、住みたい田舎ベストランキング若者世代部門第1位の街、栃木市です。
実は、私は栃木市の出身。
高校卒業までこの街で育ちました。実家はいまも栃木市にありますし、子育て世代真っただ中の弟の一家が両親と同居しています。
栃木県と言われても、ピンと来ない人が多いですよね。
県庁所在地の宇都宮や、世界遺産の日光、御用邸のある那須などは知られているようですが、栃木市は影が薄い。地元を離れてから、出身を聞かれて栃木市と答えると、
「栃木市なんてあるの? 」
と言われることも(笑)
このランキングを見て、初めて栃木市の存在を知った方もいることでしょう。
栃木市への移住が人気なのは、移住してくる方への補助が手厚いのが理由だそうですが、それだけが移住の決めてではないと思うのですよね。
縁もゆかりもない土地に移住となると、気になることもいろいろあるはず。
- 栃木市ってどんなところ?
- 栃木市に実際住んだら、どんな毎日になるのかしら?
- 子育て環境はどうなの?
などなど。
栃木市出身者が語る栃木市の姿と、栃木市のいいところ、栃木市に住むメリットをお伝えしたいと思います。
Contents
栃木市の場所とアクセス
栃木市の場所と環境
栃木市は、栃木県の南部に位置する町です。
人口は16万人弱。
2010年、平成の大合併で、近隣の町村と合併したため、300㎢を超える面積があります。
江戸時代に水運で栄えた街の中心部は、いまも蔵が並び、蔵の街と呼ばれています。
また、太平山という地元っ子の遠足には欠かせない山や、ウインドサーフィンや気球などでにぎわう渡良瀬遊水地など、豊かな自然に恵まれています。
栃木市へのアクセス(電車の場合)
都心からは、東武線とJRのいずれかを利用することになります。
東武線を利用する場合、浅草から栃木までは特急で1時間10分ほど。
JRや地下鉄からの乗り入れが便利な北千住から東武線という手もあります。
浅草からの運賃は967円。特急利用の場合、特急料金が1130円、運賃とあわせて2097円です。
特急料金のかからない準急利用の場合、1時間45分ほどかかります。
JR利用では、湘南新宿ラインや上野東京ラインを利用して栗橋まで、栗橋で東武線に乗り換えるのが一般的です。
ちなみに上野から栗橋までJR、南栗橋から栃木まで東武線利用の場合、1時間45分ほど、運賃は1435円です。
運賃が安いので、私はいつも東武線を利用しています。
ちなみに、栃木から都内へは通勤圏内です。
私の弟は、渋谷にある國學院大学に、東武線で通っていました。
市内にある駅
東武線
東武日光線:藤岡ー静和ー新大平下ー栃木ー新栃木ー合戦場ー家中ー金崎
東武宇都宮線:新栃木ー野州平川ー野州大塚
JR両毛線:岩舟ー大平下ー栃木
栃木市へのアクセス 車の場合
市内を南北に東北自動車道が通っています。東京方面から栃木県に入ると藤岡IC、つぎに栃木ICがあります。
東西には北関東自動車道が通っていて、都賀ICがあります。
高速を利用した車でのアクセスは抜群によいと思います。
横浜から首都高、東北道と走って、渋滞なしでスムーズなときは1時間40分ほどで到着できます。
栃木市の気候
気候というのも変ですが(笑)
栃木市は内陸にあるので、夏は暑く冬は寒いです。
といっても、都心でもずいぶん暑いですから、大差ないというのが栃木市出身の私の思うところ。冬は、横浜に比べるとさすがに寒いです。氷点下で氷が張ることもありますので。
また、子どものころ、夏の風物詩は雷でしたが、今はそれほどではないようです。
よく、栃木は雪が降るんでしょう? と聞かれますが、雪に関しては都心と変わりありません。雪が降ると「わ~!雪だ~!」と、めったに降らない雪に子どもたちは大喜びです。
栃木市で暮らすなら車必須
どこの地方都市でも同じような状況だと思いますが、栃木市で暮らすなら車は必須です。
1台に数台、一人一台レベルで車があるのも珍しくありません。
私が子どものころは、バス路線もかなり多かったのですが、今は、高齢者向けのコミュニティバスがわずかに残る程度です。
車移動が前提なので、どこのお店も駐車場完備、都心のように車の置き場に困ったり、コインパーキングを探して高い料金を払う必要はありません。ほとんどのスーパーやショッピングモールは、ゆったりと広い駐車場を用意しています。
じゃあ、高校にはどうやって通うの? という声が出てくるかもしれませんね。
通学には、東武線、JRを利用します。駅から距離のある人は駅まで自転車を利用することが多いです。
栃木市の子育て環境は?
先に触れたように、栃木市にある私の実家では、弟夫婦が小学生の男の子と女の子を子育て中です。
ふたりとも、スイミングにダンス、お習字、英会話と、習い事に励んでいます。子どもの学習環境としては、都心と遜色がないと思います。塾も、いたるところにあります。
地方だから教育のレベルが低いかといったら、決してそんなことはないと言えます。
以前は私立中学もなく、みな公立中に進学するのが当たり前でしたが、今は國學院大學付属栃木中があるので、中学受験に対応する塾もあるそうです。
栃木市内にはどんな高校がある?
栃木市は、江戸時代の水運、また、日光例幣使街道の宿場町として栄えたところです。私の実家のあるあたりも、宿場町として栄え、子どものころはまだ、遊郭の建物が残っていました。
そんな古い町なので、歴史ある高校があります。
- 栃木県立栃木高校(男子校)
- 栃木県立栃木女子高校(女子高)
- 栃木県立栃木商業高校
- 栃木県立栃木工業高校
- 栃木県立栃木農業高校
- 栃木県立翔南高校
- 栃木県立学悠館高校
- 國學院大學栃木高校(私立)
また、宇都宮市内、小山市内、佐野市内、足利市内の高校も通学圏です。
都心に比べると高校の数は少なく選択肢が少ないのは確かですが、だから困るということはありません。栃木高校、栃木女子高校、國學院栃木などの進学校に通えば、都心の進学校に通うのとさほど変わらない大学に進学できます。
このあたりの感覚は人それぞれ温度差があると思うので一概には言えないでしょうが、地方の公立進学校は、進路指導も熱心にやってくれるので、予備校などに通わなくても十分学習できる利点があります。都心の予備校頼みの進学校よりも、大学受験にお金をかけずにすむのではないかと思います。
(都心で子育てした経験からの私の個人的な見解です)
栃木市の子育て支援について
医療費
小さい子を育てているみなさんが気になることのひとつは、医療費助成じゃないでしょうか?
小さいうちは、よく病気にかかりますものね。
栃木市は、なんと、中学卒業までが医療費助成の対象になります。
栃木県内の病院にかかった場合は、窓口での支払いも必要ないとのこと。いったん支払ってあとから申請するなどの手間もなく、とてもありがたい制度です。
私の住む横浜市は、最近小6までに拡大されたそうですが、私の子が小さいころは、小学生入学までだった記憶があります。
学童保育
市内の各小学校に設置されているようです。
利用料金は4000/月。
夏休みや春休み等の長期休暇のみの利用も可能だそうです。
保育園待機児童状況
平成29年度のデータによると、栃木市の待機児童は8人。
子どもの数に対して保育園の数は十分あるようですので、これは、どうしてもこの園でなくては、という方の空き待ちのようです。
また、前述のとおり車社会なので、通勤はもちろん、保育園の送迎も車利用なので、家の近くでなくても問題なさそうです。都心での保育園事情を考えたら天国じゃないかと思います。都心だと、保育園送迎のために電車を乗り継いで遠回りするなんて、ざらですものね。
栃木市の病院事情は?
これもどこの地方都市でも同じかと思いますが、病院もあちこちありますので、不便さはないと思います。栃木駅近くには、とちぎメディカルセンターしもつががあります。
また、隣の壬生町には独協医大病院、下野市には自治医大病院などの大病院もあり、こちらに通う方も多いです。
地域の人とのかかわり
昔から代々続く家がある地域もあれば、田んぼをつぶして新しい住宅地ができた地域もあったり、新旧入り混じった状態の集落が多いです。
私が子どものころから、新興住宅地があちこちできていました。もしかしたら、新しく住むことになった大人には、いろいろあったのかもしれませんが、子どもの世界では、転校生をみな温かく受け入れていて、よそ者だからという意識はまったくありませんでした。
40年ほど前の話でそうなので、今はもっと、移り住んできた人にも優しい環境になっていると想像できます。
自治会など、昔ながらのちょっと面倒なご近所付き合いがあるかもしれませんが、完全拒絶などをしない限り、みな、親切です。
栃木市のちょっといいところ
蔵の街とちぎ 風情があります
やはり蔵の街。巴波川(うずまがわ)に沿って並ぶ蔵は、風情があります。
こいのぼりの季節には、ずらっとこいのぼりが並びます。
陸の松島 四季折々の美しさが自慢の太平山
栃木っ子にはおなじみの太平山。343メートルの小さな山なので、小・中学校の遠足から、高校のマラソン大会など、太平山にはよく行きます。
太平山には、太平山神社が祀られています。
春は桜、初夏はあじさい、秋は紅葉と、素晴らしい景色を楽しめる山でもあり、眼下にひろがる関東平野は、陸の松島と呼ばれます。空気の澄んだお天気のよい日は、富士山や都心のビルなども見えます。
また、太平山名物、「たまごやき、だんご、焼き鳥」の3点セットもおいしくておすすめ。
平坦で自転車移動が楽
私がいま住んでいるのは横浜ですが、坂が多くて、自転車は電動でないと使い物になりません。また、交通量の多い都心では、子どもの自転車にヒヤッとすることも多いです。それにくらべ、関東平野にある栃木市は、平坦なところが多く、自転車移動が楽です。自転車通学も楽々。子どもが自転車で出かけるのも、心配なく送り出せます。
名物のじゃがいも入り焼きそばがおいしい
栃木市は、なぜか焼きそばのお店が多いです。それも、じゃがいも入り。ソース味のしみたじゃがいもがとてもおいしいです。
私はずっと、焼きそばといえばじゃがいもが入っているものと思っていました(笑)
栃木のスタバも蔵の街仕様
日本全国スタバはあちこちにありますが、栃木のスタバは蔵の街仕様です。
こちらのブログの写真が綺麗でした。
倭町って、なんて読むの? と思いますよね。これは「やまとちょう」といいます。
栃木市で暮らすデメリットは
日常のお買物だったら、すべて市内で賄うことができます。
ショッピングモールやスーパーは多数あります。もともと地元で生まれ育った人にとっては何の不自由もないと思うのですが、これが、都心から移住してきたとなるとちょっと話が違うかもしれません。
仕事帰りにウインドウショッピングが楽しめる都会と違い、ブランド物の服などを見たい場合、やはり宇都宮に行くしかありません。
また、のんびりした雰囲気は子育てには最適なのは間違いありませんが、刺激的な都会生活が長い人やそんな生活が好きな人には、のどかすぎてつまらないかも。。。
ですから、地に足のついた生活をしたい、落ち着いた生活をしたい方には大満足の街だと言えます。
私は、刺激が欲しくて町を出ましたが、地元栃木市に残った高校時代の友人たちは、相変わらずのんびりしていますが、そんな暮らしにとても満足しているようです。
まとめ:栃木市への移住について&リンク集
私の子どもたちは、栃木市が移住したいランキング連続2位になったことに、とても納得していました。横浜育ちのうちの子たちに、栃木市の魅力について尋ねてみたら
- のどかなのに田舎過ぎない
- 生活に必要なものはすべて揃う
- とてもバランスがよい(都会と田舎の中間)
- 夜は夜らしく暗くなるので落ち着く
- 高い建物が少ないので、視界が広く、のびのび感じる
などの声が上がりました。
住めば都とは言いますが、栃木市は、なかなかよいと思います。
最近は、若い層が町おこしに熱心だそうです。
古い町がまた再生する、そんな時期なのではないかな……と個人的には感じています。
栃木市への移住に興味がわいた方がいらしたら、ちょっと調べてみてはいかがでしょう。
栃木市内の空きや情報や、移住支援についてはこちら。